Bitget Research チーフアナリストによるビットコインETF承認の与える影響
近頃、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)ETFの申請および承認に関する憶測やニュースがあらゆる場でディスカッションされています。
これらがSEC(米国証券取引委員会)に承認されることで、市場にどのような市場を与えるのか、そして関連する規制はどのような方向に動くのかという問題について、Bitgetリサーチチームのチーフアナリスト、Ryan Leeが考察を行いました。
Ryan Leeプロフィール
Bitget Researchのチーフアナリスト。物理学の修士号を持ち、2015年に暗号資産(仮想通貨)業界に参入。その後、Huobi、Bitmain、KuCoinでシニアリサーチャーを務める。専門分野はDeFi、オンチェーンデータ分析、セカンダリーマーケット取引。
以下、Ryan Leeコメント
先日、Franklin、NasdaqおよびHashdexが暗号資産現物ETFとEthereum現物ETFを取り扱うことができるよう申請しました。BTC現物ETFは、もはや「承認されるかどうか」ではなく、「いつ承認されるか」の問題となっています。以下は、BTC現物ETFが市場に与える潜在的な影響についての分析です。
金の現物ETFと比較してみましょう。2023年12月現在、金ETFの運用資産残高は約2,090億ドルに達し、運用資産残高の半分は北米にあります。現在、BTCのボラティリティは金の約3.6倍であり、BTC現物ETFが承認された場合、これらの金融大手が金と同様のリスクエクスポージャーでBTCに投資すると仮定すると、約300億ドルから400億ドルの投資が必要となります。
同様に、金ETFが市場に与えた影響を振り返ってみると、米国で最初に発売された金ETFはSPDR Gold Trustで、2004年11月18日にニューヨーク証券取引所でデビューし、その日の金の終値は1オンスあたり444.3ドルでした。他の法人投資家がETFの購入を通じて金のエクスポージャーを得るようになるにつれ、資金の流入によって金の現物価格は着実に上昇し、2012年には1オンスあたり1,666ドルに達しました。
【規制の裁定と採用】
SECがBTC現物ETFを承認すれば、他の地域の金融機関も米国で同様のビジネスを申請することが予想されます。中規模および大規模の金融機関が域外に資金を移転することを防ぐため、ロンドン、香港、シンガポール、東京など他の金融センターもBTC現物ETFに関連する政策を導入すると予想されます。これは最終的に、暗号資産のグローバル化と普及につながるでしょう。さらに、暗号資産の属性はBTCだけでなく、ETH、ステーブルコイン、その他のトークンにも拡大し、より多くの人々が暗号資産の意義を理解できるようになることが予想されます。
【相場状況予想】
Bitcoinは、現物ETFの承認により48,000~50,000ドル程度まで価格が上昇する可能性があります。相場状況は、こうしたETFに関連する認知度や投資によって影響を受けることが予想されます。現物ETFが承認されれば市場の大きな需要が喚起され、Bitcoin価格の上昇トレンドが促進される可能性があります。
しかし、今後の値動きはBitcoin ETFへのさらなる資金流入によっても影響を受けます。資金の多寡は市場センチメントや価格変動に重要な役割を果たし、Bitcoin価格が上昇を続けるか下落に転じるかを決定します。こうした出来事は市場の激しい変動を引き起こす可能性があり、投資家はETF承認後の市場の反応や資金の流れを注意深く監視し、より良い投資戦略を立てる必要があるでしょう。